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人工言語 > シャレイア語論 > 母音連続と /l/ 挿入5 代 5 期

母音連続の扱い

シャレイア語は基本的に二重母音を除いて母音の連続を嫌う。 そのため、 単語内で母音が連続して 2 つ出現することは、 固有名詞などの特別な場合を除いて存在しない。 しかし、 母音で終わる単語の後に母音で始まる単語が置かれると、 その 2 つの単語間で母音の連続が起こってしまう。 このような場合、 連続した母音の間に /l/ を入れ、 母音連続を避けることになっている。 この /l/ は文字の上では書かれない。

母音連続を避けるための /l/ は、 挿入される場合とされない場合がある。 以下にシャレイア語で母音連続が起こり得るパターンを挙げ、 /l/ の挿入が起こり得るかどうかを述べる。

母音連続のパターン

/l/ を挿入する場合

限定構文では、 限定節内で先行詞と同じものを指す名詞が消えるため、 その名詞に付随していた助詞だけが遊離した形で残る。 助詞は母音で終わるので、 この後に母音で始まる助詞 (a, e, i) が置かれると、 母音連続が起こる。

salnis などの一部の動詞では、 目的語に形容詞を置くことが許される。 このとき、 助詞の後に形容詞が置かれることになるが、 助詞は母音で終わり形容詞は母音で始まるので、 母音が連続する。

difvoc などの形容詞は従属節全体を修飾することができ、 その場合は従属節を作る接続詞の直後に形容詞が置かれる。 このとき、 母音で終わる接続詞の後に母音で始まる形容詞が置かれるので、 母音連続が生じる。

否定副詞の du は形容詞や副詞も修飾できるので、 そのときに母音が連続し得る。

連結詞由来の接続詞は、 形容詞や副詞を繋げることがある。 このような接続詞は母音で終わるので、 次に来る形容詞や副詞との間で母音連続が起こる。

/l/ を挿入しない場合

固有名詞は母音で始まることがあるので、 それに付随する助詞との間で母音連続が起こり得る。 また、 母音で始まる固有名詞が接続詞で結ばれているときも、 母音が連続することがある。

これらの場合、 /l/ を挿入すると固有名詞を間違えてしまう (上の例では名前が elizabec なのか lelizabec なのか分からなくなる) 可能性があるので、 /l/ は挿入されない。 したがって、 上の例に出てくる a ʻelizabec の読みは /a.e.li.za.beθ/ であって /a.le.li.za.beθ/ ではない。

なお、 シャレイア語由来の固有名詞は全て子音で終わり、 外来語から音写する場合も母音で終わる場合は最後に s を加えるため、 固有名詞と次の単語との間で母音連続が起こることはない。

間投詞は基本的に母音で終わり、 さらに母音で始まることもあるので、 前後の単語と母音連続を起こす可能性がある。 特によく起こるのが、 yadu の後に補足や強調の意味で助詞句が加えられた場合である。

間投詞の前後には小休止が挟まれることが多いので、 母音が連続したと意識されることがあまりなく、 /l/ は挿入されない。

連続母音の読み方

以上のように、 母音が連続しても /l/ が挿入されない場合がある。 そのような場合、 どちらの母音も普通の母音と同じくらいはっきりと発音する。 ただし、 はっきり発音するとはいっても、 母音の切れ目をはっきりさせようとして /a.ʔa/ のように声門閉鎖音などの余分な音を入れる必要はない。 また、 二重母音として存在する組み合わせ (ai, ei, ie, au, eu, iu, oa, ua) が現れても、 二重母音のように 2 つ目の母音を弱化させることはせずに発音しなければならない。 例えば、 前述した例にある a ʻizabel を /aɪ.za.bel/ と発音してはならず、 /a.i.za.bel/ と /i/ をはっきり発音する必要がある。

また、 固有名詞の音写によって、 単語内で母音が連続する場合がある。 このとき、 i の後に母音がある場合は母音の間に /j/ を入れ、 u の後に母音がある場合は /w/ を入れ、 その他の組み合わせの場合は子音を何も入れずに発音する。 例えば、 ʻberaian (英語圏の名前 Brian の音写) は /be.ra.i.jan/ と読む。

/j/ や /w/ の挿入は、 単語内での母音連続の場合に限り、 単語間での母音連続の場合には起こらないので注意すること。 したがって、 i ʻalis の発音は /i.ja.lis/ ではなく /i.a.lis/ である。

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